Nike Air Zoom Pegasus 38 Performance Review |
Nike Air Zoom Pegasus 38(ナイキ エアズーム ペガサス 38)をレビュー
ツイッターでも書きましたが,今年はランシューレビューを積極的にやっていこうと思っています. みなさんよろしくお願いいたします
ペガサス 37ではナイキ Reactフォームに変更されるとともにエアバッグが前足部のみのAIR ZOOMに変更, ペガサス 36ではフルレングスのAIR ZOOMバッグが搭載されていましたが37ではソールの厚底化に伴い地面からの突き上げが大きい前足部のみの配置へ変更されたそう. このズームエアバッグも厚みが36の二倍になっています
クジラのヒゲみたいな細かい線がReactらしくなくていい感じ. Reactは初期モデルの歯車みたいなデザインが特徴的でしたが,あれは汚れが入り込んで面倒なのでランニングシューズモデルはこのように調整されたのは良い判断です
ペガサス36ではフルレングスのAIR ZOOMバッグが搭載されていましたがソールの厚底化に伴い地面からの突き上げが大きい前足部のみの配置へ変更. ズームエアバッグも36の二倍になっているそう
こちらもペガサス37と比較してもやはりまったく変更なし
「あらゆるランナーのためのシューズ」として1983年に登場したナイキ ペガサス. 初代から38年経った今でも,エンジョイランナーからエリートランナーまで,幅広いランナーに愛用され,長い年月の中で少しずつイノベーションを進化させてきたシリーズです.
今回レビューする"Nike Air Zoom Pegasus 38(ナイキ エア ズーム ペガサス 38)"はその名の通り,38作目に当たります
今作ナイキ エア ズーム ペガサス 38はこれまで使われていたラスト(足型)を変更. 新しいラストではトゥ/つま先部分にゆとりを増やし,前足部のフィットを微調整することでペガサス 36以前のモデルと似た履き心地に仕上がっています.
アッパーのパーツ構成が変更され,中足部のウェビング システムがフィットバンドと連動し,シューレースの締め方によって自分の好みのフィット感を生み出すことができ,素材は柔らかくて通気性のあるサンドウィッチ構造のメッシュ素材. こちらもエリートから初心者まで全てのランナー向けにデザインされています
ミッドソール内のエアクッションはペガサス 37で用いられた前足部のズーム エア ユニットと同じものを採用
The Legacy of the Nike Pegasus, as told by Joan Benoit Samuelson |
また、メンズ用とウィメンズ用で「ズーム バッグ」の圧力の微調整を行うなど,特性にあわせた開発が行われています
カラーは Black/White/Chlorine Blue/Metallic Silver[CW7356-003]
ペガサス38では手を使わずに履けるフライイーズテクノロジーが搭載された「ナイキ エア ズーム ペガサス 38 フライイーズ」もリリース. ジッパー開閉式でシューレースを結ぶ必要のない仕様のため,片手でフィットを調整することができます. Nike By Youでもリリースされました.
Nike Air Zoom Pegasus 38のプライスは北米は $120, 日本国内では¥14,300(税込)でリリース
1stリリースカラーがこのモデルだったと記憶しています. 結局これが一番カラーデザイン的に素晴らしかったためリリース後に即購入. その後もリリースされ続け,先日新年の「EKIDEN PACK」コレクションがリリースされましたが,カラーブロックの問題なのかデザインの統一が大変難しい印象を受けます.
各所を見ていきましょう
アッパーはメッシュ,サンドウィッチ構造で編み方が異なるメッシュをレイヤーにしています
ヴァンプエリアの広さはペガサス35を思わせるデザイン. トゥから最下段のシューレースパーツが遠く,左右のレースパーツが遠いです
シュータンは独立し,厚いフォームに変更
分かりづらいので別写真を |
「ウェビング システムがフィットバンドと連動」とありますが,画像の紫色のマルチカラーで四つあるレースループがそれに当たり,水色のステッチが施されそれらが出ているパーツがフィットバンド(分かりづらいですね)
Reactに見えない感じが良い |
ヒール周辺のシルエットもペガサス37を踏襲
クジラのヒゲみたいな細かい線がReactらしくなくていい感じ. Reactは初期モデルの歯車みたいなデザインが特徴的でしたが,あれは汚れが入り込んで面倒なのでランニングシューズモデルはこのように調整されたのは良い判断です
ZOOM/Swoosh |
インソールはZOOMとスウッシュの組み合わせ
変更なし |
ミッドソールはReactフォーム(リアクトフォーム), クッションは前足部にZOOM AIR
比較すると分かりますがペガサス37からソールセットアップに変更はなし
PEGASUS 37 / PEGASUS 38 Midsole |
また「メンズ用とウィメンズ用でズーム バッグの圧力の微調整を行う」とありますがそこはちょっとよく分かっていません(おそらくウィメンズだと体重が少ないため低圧?)
(こう見るとスウッシュのサイズと位置でソール厚底感が変わるのがよくわかりますね)
こっちも変更なし |
アウトソールはブロックパターン
ソール形状もだいぶ前からこんな感じですね
PEGASUS 37 / PEGASUS 38 Outsole |
個人的にはこのパターンというかアウトソール形状はアウトソールラバーが剥がれる(特に画像のアウト側のライン状のラバーが剥がれる)ためあまり好きではなかったりします
軽し |
28.5cm(US10.5)で305g(10.7oz)
やはりペガサスは歴史あるナイキ ランニングシューズモデルの中でも奇を衒うことのない正統派モデルであると感じます. つまり誰が履いても普段のラン目的であればこれで不満を持つことはほとんどない.
フィット/サポートは特段素材の面で変更がないためなにかしら良くなったわけではないが平常運転.
クッションはReactのモチモチ感がダイレクトに伝わり,カーボンプレート系の反発や自然に前に進む感はないですがあれは普段使いするものではないので日々のランなどであればこれでまったく不満を持ちようがない
ペガサス37ユーザーであれば37をそのまま履き続けてもいいのではないかと思います. まだ履けるのに履き替える理由はほとんどないですね
シューズ重量はマイサイズ28.5cm(US10.5)で305g, Reactフォーム搭載モデルにも関わらず他モデルに比べると重く感じます. ここは正直ちょっと重いな…と感じなくもないですがもはや感覚が麻痺しているだけなのでしょうね… もっと小さいサイズ(26cmとか)であれば300gは切ると思います
個人的にはペガサス37の方がシンプルで良デザインだと感じますが,38のこのギミック感あるデザインもカラーによっては悪くないと思います. 厚底感がなくなり,より「普通のスニーカー」っぽいのですよね
無論このサイトを見にきてくれているのはイカれたメンバーだと思うのでこれまでペガサスを履いたことが一度もないなんて方は少ないとは思いますが,ペガサスはやっぱりペガサス. 完成されたランニングシューズです
正直言ってナイキのランニングシューズはエントリーモデルとハイクラスモデルでコンセプトもテクノロジーもクオリティも異なりすぎるので「ランニングシューズなにがいい?」と聞かれた際にナイキのランシューを答えるのは非常に難しい
ここで2022年1月現在のナイキランニングシューズで一番安価なモデルと一番高価なモデルを価格だけで比較してみたいと思います
2022 January Nike Running Shoes Hi & Low |
あくまで価格での比較ですが,2022年1月現在で一番安価なエントリーモデルが「ナイキ レボリューション 5」で定価 \6,050. 一番高価なハイエンドモデルは「ナイキ ズーム アルファフライ ネクストネイチャー」で定価 \38,500
この六倍以上の価格差はすさまじいインパクトがあります,ほかの競技でここまでの開きってあるんですかね…(とはいえ金はあるところから取ればいいのでナイキの戦略はまったく間違っていない) この「ナイキ レボリューション 5」は履いたことがありませんが,以前にNike Zoom Gravity Performance Reviewでレビューしたナイキランニングのエントリーモデル「ナイキ ズーム グラビティ」はラン用途では履けたもんじゃないなというクオリティでした.
もちろん前述したように目的も用途もスタイルも異なるため安易な比較はできませんが,このところのランニングシューズの性能向上とそれに伴う価格高騰は少しばかりクレイジーなのではないでしょうか… それを考えると今作ペガサス38くらいのバランスがあらゆる意味で「ちょうどいい」
ランニング始めたいんだけど何を履けばいいのかぜんぜん分からん!という人に「ランシューどれがいい?」と聞かれてもなんの事前情報もないと答えられない的な雰囲気があるわけですが,とりあえずナイキであればペガサス勧めておけば間違いないのではないでしょうか
アンダー1万円のエントリーモデル価格帯であればナイキはあまり信用できない. エントリーモデルであればナイキを避けadidasのadizero系統やHOKA ONE ONEなどを狙ったほうがいいと思います. もしくはセールなどを狙い少しハイエンドモデルを狙っても良い
ペガサス38も日本国内価格 ¥14,300(税込)出すかと言われると微妙なので,セールを狙いましょう. とはいえ良いランシューであることは間違いないです. 一時期に比べて寒くて走れねえよという天候ばかりでもないので,ペガサス最近履いていないな?という方は買ってガンガン履いてみてはいかがでしょうか
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