RIZIN大好きさん事件とはなんだったのか

RIZIN大好きさん事件(RD事件)とはなんだったのか

 なんだったのかというか現在進行形で起きている事件ですし,騙された格闘家がたくさんいることが予想されるためこれで幕引きなのか分からないとか色々あると思うのですが,個人的にもう終わらせた方がよい(これ以上話題にしないほうがよい)事件だと思うのでこの件は終わった体で所感を書いていきます。というかこれ以上なにが出てきたところでこういう事件に対する考えは変わらないです。

 まあそれにしても夏にぴったりのゾクゾクするようなこわい話でしたね・・・ あのおばあちゃんは誰なの・・・

 まず,一体何が起きたのか。「RIZIN大好きさん事件(RD事件)」とはなんなのか。ここまでの流れを何も知らない方でも30秒くらいで理解できるよう恐ろしく簡単なレベルでまとめます。




 RIZIN大好きと名乗る(自称)末期がん患者が現れる(2019年7月9日)
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 選手/ファン間で支援の輪が広がり,RIZINも公式に関わるようになる
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 RIZIN.19にて「すべての壁を、扉にかえろ。」というRIZIN大好きさんへ向けたキャッチコピーが誕生
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 RIZIN.20にてチャリティーTシャツが発売, RIZIN大好き氏がオープニングVにも登場
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 投稿した病室での写真がTwitterの拾い画であることが発覚
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 複数垢使用して選手にグッズ等要求していたことも発覚
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 関係者が問い詰めるも答えられず
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 アカウントに鍵をかけ、その後アカウントを削除し逃亡
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 RIZIN公式が声明発表(2020年8月13日)


 これ以外にもいろいろ起きてはいますがだいたいこんな感じです。その他RIZIN大好き氏の言動やツイートなどは他サイトでまとめられているので詳細を知りたい方は寝る間を惜しんでググりましょう。ババ・ガンプ長澤康男さんやハイジさんなど文春記者並みに死にものぐるいで追跡しているプロな方々がいます(現在はアカウント凍結/削除済)。

 そして昨日いきなり出てきたRIZINの公式発表が以下↓



 まずこの報告ではRIZIN大好きさんの「妻」なる新キャラがいきなり登場し、「RIZINのファンでツイートしていた夫が虚偽の発言を繰り返したと聞き」、RIZINにメールしたことになっています。内容を簡単にまとめると

・8月11日, RIZIN大好き氏が経営する店に電話があり、その電話で自分が今回の事態を知った
・RIZIN大好き氏はガンではなく、精神と脳の病気である
・RIZIN大好き氏は今年の8月5日にガンを患った叔母を亡くしたが、その闘病を自分ごとのようにツイートしていた
・RIZIN大好き氏は小さいころより格闘技が好きだったため行動は本人に任せていた
・RIZIN大好き氏の闘病は10年ほどになり今もほぼ寝たきり状態であり自宅内を少し動く程度しかできない
・2019年に蜘蛛膜下出血(原文ママ)による精神障害1級認定を受けた
・RIZIN大好き氏は現実と現実でないことを把握することができない
・RIZIN大好き氏には会社を辞めてもらうことになった
・コロナもあって大変だから今回RIZIN大好き氏が起こした問題と会社は関係ないからディスらないでほしい

 ・・・とまぁこんな内容です, 気になる人は自分で原文読みましょう。この文章を見て誰もが最初に「お前マジでRIZIN大好きの妻なん?お前がRIZIN大好きなんじゃね?」と思ってしまうわけですが,上記報告内ではRIZIN陣営はRD氏妻よりこのメールを受け取った後,RD氏とRD氏妻と直接話をしたそうです。原文では「上記のメールを受け取ったのち、奥様とご本人と直接お話をしました。」とだけ書かれているのでこれが電話なのか,実際に会って話したのかは不明ですが,おそらくこれ実際には会っていなくて電話なんじゃないですかね・・・ このコロナ禍でRIZIN陣営がRD氏の住む神戸までわざわざ出向くことは考えづらい・・・

 ともあれ,そんな些末なことはもはやどっちでもいいです。それよりこのRD氏妻から送られてきたメール,怪文書レベルで辻褄が合わないというかツッコミどころ満載なんですね。そもそも「小さいころよりただただ格闘技が好きで」と書かれてるけど,奥さんが「小さいころより」って使うかあ?「夫の闘病は10年ほどになり、今もほぼ寝たきり状態」と書かれていますが


 いやいや,ピットブルのTwitterで思いっきり立ってるんですけど。




 白矢印がRIZIN大好きことRD氏。誰がどう見てもめっちゃ立ってます。RD氏の左に写っている老婦はRD氏いわく「母」だそうですが今や何者か不明です。が,ちょくちょく一緒に写っている方です。




 ちなみに別の写真でも一緒に写ったりしてました。マジこの人誰なの・・・




 ピットブルのTwitter見る限りこの「母」もめっちゃサインもらってました。てかこの写真にもRD氏,写ってますね。そしてめっちゃ立ってます。ガンガン立ってます。


 RD氏妻,メールではガンではないものの「精神障害1級認定を受け、現実とそうでないことを把握する力がなく」と極めてRD氏が危険な健康状態であることを強調していますが,そのような人物を1人で(厳密には高齢の母と)RIZINへ向かわせるなど支離滅裂すぎ。
 RD氏はガンガン試合を見に行く, 試合だけでなく公開計量まで見に行く, RIZINショップ(階段で2階に上がらなきゃ入れない)も店長が変わるごとに行く, RIZINファンイベントも開催されるたび出向くなど, エリア問わずRIZIN界隈に何度も足を運んでいるだろうにまさかRD氏妻, それを知らないのでしょうか?
 いくらなんでも日本全国ガンガン行動させすぎでしょ少なくともお前ちょっとは付き添ったら??!!?!





RD氏の妹を名乗りRD氏の病状をツイートする「せーこ」なるアカウント(現在は削除済)

 そもそもそんな精神障害1級認定を受けている人間が会社の社長したり, 相手してくれそうな選手だけを選んでメッセージしたり, Twitterで複数アカウントを作成し家族を装ったり, Twitter上の他人の闘病写真を加工して自演したり, RIZIN団体以外にもあらゆる格闘家に病気をダシにしグッズを求めたりするんでしょうか。どれも頭がしっかりしている知能犯がやることに思えます。

 本当に精神障害で現実と虚構が入り混じり,なにがなんだかわからないのであれば北岡悟か青木真也にファイトショーツねだってくれ

 が,もう指摘するのも馬鹿らしくなってくるのでやめましょう。 ただどっちにしろ,肉親をガンで亡くしていたレオナ・ペタスと山本美憂を騙し続けていた罪は重い。重すぎる。





自分でここまでの騒動を起こしておきながら
「どうしてここまでしなくては。。」などと泣き言を言い出すRD氏(現在は削除済)

 自分はRIZIN大好きさんの存在自体は知っていましたが,なんかRIZINファンのガン闘病者がいるんだなあ程度で特にどうとも思っていませんでした。病気だと言うことを差し置いても選手への絡み方がキモすぎたのでマジでキモいなあと思っていたぐらいです。

 超個人的な意見ですが, 自分はプロ野球選手に難病で入院しているお子さんに会いに行ってもらい励ましてもらうNPO法人で活動したことがあるんですね。その時に思ったことですけど、そういう場で子どもたちってまず物を欲しがらない。プロ野球選手の方がお土産としてサインを書いたバットやグローブなどをプレゼントしたらようやく受け取る程度で、なんの病気にせよ末期の病気にかかっている患者で自分から他人にモノくれとか言ってる人を見たことがありません。

 余命宣告を受けたガン患者だろうがなんだろうが他人に物乞いする人間はキモすぎる。





チャリティーTシャツを着て入場する上迫選手

 今回の件を振り返ってみると,やはり昔から黒いイメージを持たれている格闘技界が,それを払拭しようとするあまりこのような事態になったんだと思います。RIZINからすれば, 末期ガン患者がRIZINを応援している, 余命半年にも関わらず会場に這ってでも来る, それくらい格闘技観戦が生きがいになっている, ガンで自分は死ぬけれど,自分は応援し続ける!なんてよくあるお涙頂戴です。もし仮に治ったとしてもRIZINのおかげです!などと言ってくれればもうけものですし, 選手たちは善意で行動してくれるので特に予算がかかるわけでもありません。要はWin-Winの関係というやつです。

 こういう事件は2010年以前も「カバ子さん事件」という,格闘家の瓜田純士さん,高瀬大樹さんを巻き込む格闘技ファンの詐病騒動がありましたし,まったく同じパターンなんですよね。まったく変わっていないのにも関わらずこのやり方にハマってしまったという点では,格闘技界のセルジオ越後こと青木真也さんに「バーカじゃん!」と言われても仕方ないわけです。みんなマジ反省しよう。

 そういえば久保田武蔵事件といういま考えたらありえねーだろみたいな事件もありましたし, 特に偏差値低い人達が集結してる業界なのでみんなで騙されないように気をつけた方がいいと思います。ほんとあぶない。





左からRD氏, RIZIN榊原氏, RD氏母とされる人物(詳細不明)

 とは言うものの,現実的に目の前に「私は末期ガン患者で余命半年です」と話す人がいるとして,「おまえマジでガン患者なの?証拠だしてみろや」とか言えるわけがないんですね。なので今回の件はチャリティーTシャツ販売あたりでRD氏の名前を出す際にRIZIN側が本人と会い,「チャリT出すにあたって,現在の病状などもう少し詳細なことをお聞かせください」とかなんとか言って事実確認すべきだったと思います。会場に何度も来てるぐらいだからアポ取るのも容易でしょう。

 ただ,そういうことをできる(言える)雰囲気がなかったのも事実だと思います。RD氏の嘘は加速し, ついには「自分で自分の脳を触って気絶した」「両眼球を摘出する」「ICUでツイッターしています」「両手の爪がすべて剥がれました」とか, 途中からどう考えてもおかしいと感じてた人多いと思うんですね。でもそういう一切疑問を持つ事さえ許されない空気を格闘家やRD氏のフォロワーが作ってしまった。これがいわゆる全体主義の怖さですね。あぁいう明らかにおかしいのにおかしいと言えない空気のようなもの・・・こっちの方が恐ろしいです。










RD氏, いまはどこでなにをしているのでしょうね

 というわけでいろいろ書きましたが結論。

 約一年という短期間にこの人物が現れこの騒動が起きこの結末を迎え, RD氏は嘘に嘘を重ねたこともありまだまだおかしいところはあるけれど(というかRDの妻からとされるメールでむしろ疑問は増えたけど),もういいんじゃないか?と思います。

 今回の騒動に関して「自分たちは直接RD氏の被害にあってないのになんで追及してるの?」って意見も散見されるのですが, 当事者たちが声を出せないのだから私刑的な雰囲気になってしまうのはあると思うんですね。とはいえRIZIN側が結論を出した以上これ以上この事件を深追いするのは無駄であり恥だと思います。

 RD氏という稀代の詐欺師のせいでみんなが振り回されたけど実際の被害ってそこまで大したものではないですし,RDのためなんかじゃなく,こいつに関わってしまったすべての人たちのために,このまま風化させすべてなかったことにし, こいつの存在を限りなくこの世から,この業界から消したほうがいいと思います

 本当に精神の病であればある種の「無敵状態」であり, 謝罪や反省など無意味でしょうから,どうしようもないですからね。現場からは以上です。










 (余談。「なぜRIZINは刑事告訴しないのか」というツイートが散見されますが,するわけがありません。ぶっちゃけ誰かが刑事告訴しようと思えばできる状態だと思いますが,逆ならともかく一企業が一個人を追いかけ回すのってめちゃくちゃイメージ悪いし,一人の精神病患者を追いこんだからといって得るものがマジでないのでしません。
 また,ネットで囁かれている「RD氏 = RIZIN陣営のサクラ」説もたぶんないと思います。RD氏の初期のツイートを遡って見てみたんですが,アカウント開始直後くらいからかなり文面おかしいですからね・・・言葉にするのは難しいですが,この人とは関わらない方がいいな的な人としてのヤバさを感じます。)

シバターvs久保 八百長問題とはなんだったのか

 大晦日に行われた総合格闘技イベント「RIZIN.33」において、総合格闘家じゃない奴二人を戦わせた結果八百長かどうかで揉めるとかいう喧嘩商売みたいなどうしようもない状況が起きています  ちなみに「シバターvs久保 八百長問題とはなんだったのか」とありますが、一応結論は出ているものの現在進行形で起きている事件です  まずはじめに日本格闘技史上最大の肥溜め、クソみたいなここまでの流れ・展開を追っていきたいと思います

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