NIKE HYPERDUNK '08 FTB Performance Review

NIKE HYPERDUNK '08 FTB Performance Review
NIKE HYPERDUNK '08 FTB PERFORMANCE REVIEW
 ナイキ ハイパーダンクシリーズ 記念すべき第1作目"NIKE HYPERDUNK '08 FTB" をレビュー

 今作,「バスケットボールシューズ」ではなく「カジュアルシューズ」というジャンルでのリリースですが関係なくガシガシ実戦で履いてレビューしていこうと思います

 また,FTBカラーはHYPERDUNKの他いくつか持っているのでちょくちょくレビューしていくつもりです(いつになるやら…)




Kobe Bryant: A career in pictures
 2008年,北京オリンピックにて初登場した "HYPERDUNK (ハイパーダンク)", 今日まで続くハイパーダンクシリーズの歴史は,ここから始まりました

 2004年のアテネオリンピック,2006年の世界選手権で優勝を逃し敗退したバスケットボールアメリカ代表, バスケ大国としてこれ以上の失態は許されない状況になっていました

 これまで"ドリームチーム(Dream Team)"と呼ばれてきたアメリカ代表も,2008年の北京オリンピックでは「失われた栄光を取り戻す」という意味合いから"リディーム チーム(Redeem Team)" と呼ばれ,名誉挽回のために最高のロスターを招集


Ultimate championship: Dream Team vs. Redeem Team
 #9 ドウェイン・ウェイド (26) マイアミ・ヒート
 #6 レブロン・ジェームズ (24) クリーブランド・キャバリアーズ
#10 コービー・ブライアント (30) ロサンゼルス・レイカーズ
#15 カーメロ・アンソニー (24) デンバー・ナゲッツ
#11 ドワイト・ハワード (23) オーランド・マジック
#12 クリス・ボッシュ (24) トロント・ラプターズ
#13 クリス・ポール (23) ニューオーリンズ・ホーネッツ
 #7 デロン・ウィリアムズ (24) ユタ・ジャズ
#14 テイショーン・プリンス (28) デトロイト・ピストンズ
 #4 カルロス・ブーザー (269 ユタ・ジャズ
 #8 マイケル・レッド (29) ミルウォーキー・バックス
 #5 ジェイソン・キッド (35) ダラス・マーベリックス
 キャリア12年目にして2008レギュラーシーズン初MVPのコービー・ブライアント, 得点王となったレブロン・ジェームズ, アシスト王のクリス・ポール, リバウンド王のドワイト・ハワード… と強力なメンバーを招集, 「現代のドリームチーム」と呼べるチームを結成

 また,2006年世界選手権のメンバーを6人含めるなど,これまでとは違い数年計画で練習を重ね,デューク大学のマイク・シャシェフスキー監督は最強の布陣を揃えました. キャプテンとなったコービー・ブライアントにとってはこのオリンピックが初のオリンピックであり,初の国際試合でした

 2008年当時はコービーとレブロンのどちらが世界No.1プレーヤーであるかの議論が白熱している時期でもあり,オリンピックは大盛り上がり

 圧倒的な強さを発揮し,五輪予選リーグは開催国である姚明率いる中国,アンゴラ,ギリシャ,スペインにそれぞれ危なげなく快勝

 決勝リーグは1回戦でオーストラリアに勝利,準決勝はアテネ五輪優勝のアルゼンチンに雪辱を果たし,決勝戦ではガソル兄弟を擁し,話題の当時17歳リッキー・ルビオも代表入りしていたスペインとの再戦になりました

 前半はチーム得点王のドウェイン・ウェイドの大活躍で僅差に,後半はコービー・ブライアントのフォーポイントプレーやクリス・ポールの超人的個人プレーで118-107で勝利し金メダルを獲得,王朝復活となったのです


USA Men's National Team
 そのアメリカ代表団の足元を支えたのが"NIKE HYPERDUNK", このアメリカ代表優勝時の写真からもハイパーダンクが着用されているのが分かるかと(ちなみに米代表以外の各国にも専用カラーが用意されていました)

 いまは"HYPERDUNK '08"と呼ばれていますが,リリース時は"HYPERDUNK"

 このオリンピックでのアメリカ代表の活躍から,いかに偉大なシューズだったかが分かるかと

 外観からも半透明なTPUサイドパネルや,吊り橋を支えるワイヤーから着想を得てデザインされたシステム"ナイキフライワイヤーシステム"を搭載, バスケットボールシューズでは新搭載のルナロンクッション,当時では群を抜いた軽量性などとにかく最新技術を集合させたハイパフォーマンスモデルでした





#SoleWatch: @JordanClarksons with a personal message on his FTB Nike Hyperdunks.
 カラーは stealth/cool grey[869611-001], "FTB"ことFade To Black,またの名を"Black MAMBA PACK(ブラック マンバ パック)"の中の一足

 コートに大きな衝撃を与えた,コービーと密接なつながりを持つ2つのシューズ "ZOOM HUARACHE 2K4 (ズーム ハラチ 2K4)" と "HYPERDUNK (ハイパーダンク)"と, コービーの名が冠された11のシグネチャーシューズで,コービー・ブライアントの歴史を賞賛するコレクション

 初めはホワイトカラーの"Huarache 2k4"から徐々に黒味を帯びブラックカラーへ変化し、4月13日のブライアントの最後のゲームへと向かう時間の流れをカラーの移り変わりで表現していきます

 今回レビューするステルスカラーの"NIKE HYPERDUNK '08 FTB "はコレクションの五つ目に位置します

 各所を見ていきましょう





良い色です
 アッパーはレザー. TPUサイドパネルには"FlyWire(フライワイヤー)"

 当時を知らないスニーカーヘッズはこれを見てもなにがなにやら分からなさそうですね…フライワイヤーは最初こういうデザインだったのです





こ, これがフライワイヤーだ!
 シューレースホールは下から6つ,シューレースパイプ,その上に2つのホール

 トップは"KOBE 1"のようなトライアングルホールがあり,シューレースを通すことも可能(長さ的に他のホールを通さないようにしないと足りなくなる)

 シューレースホール部分にはレザーが使われており,この部分の耐久性は確保されています





ぐぐぐっ
 イン側にもフライワイヤーが,こちらはスウッシュはなく,ソリッドな仕上がり

 ミッドソールにはアッパーとの境目に屈曲性を高めるためのグルーヴが入れられており,ミッドソールのデザイン自体が土踏まずに向けてかなりえぐられています





"NIKE"
 "AIR MAG"を彷彿とさせるキャップ型のヒールカウンター

 ソフトな材質ですがしっかりかかとを掴み,かかとへのダメージも軽減され見た目よりも実用的なつくり





数字なし
 インソールにはコービーのオートグラフとスウッシュのロゴ

 ハラチ2k4と,このハイパーダンクはこのロゴなのですが他のモデルはシグネチャー数がローマ数字でプリントされます





横からのシルエット is 最高
 ミッドソールは "Phylon(ファイロン)"

 クッションは…

拿什么向你致敬?word 科比

??!!!


 クッションは…なし

 ええぇ?!マジか??! と二度見三度見してしまうわけですが,何度見てもクッションはなし…


拿什么向你致敬?word 科比
 なしというか,前足部の "LunarFoam(ルナフォーム)"はそのままですが,なんとオリジナルと違い後足部のエアバッグなし…なのです

 FTBという特別なパックにも関わらずこれはひどすぎますね…なんというクソ仕様

 とはいえファイロンの厚みがあるのでバスケットボールシューズとして考えればそこまでクッション不足を感じるということもなくこれはこれで…?というレベル

 オリジナルのクッションを覚えている人であれば不満をかなり感じるでしょうが,知らない人はこんなものか~と納得してしまうかも

 ノンエアのためエアのぐにゅ感はありませんがその影響かがっつりファイロンを感じますが,かなり柔らかめのすぐにヘタるタイプのファイロンです





良いアウトソールです
 アウトソールはブロックパターン+グルーヴパターン

 ソール自体が8の字のような形状をしており,パターンの溝は浅いですがしっかりグリップします

 こう見るとアウトリガーもきっちりデザインされていますね





超とは言わないまでも軽量です
 29cm(US11)で383g(13.5oz)





プレミアムなボックス…良いです良いです
 FTB専用ボックス

 フェードになっていて,ホワイトからブラックへと色が移っていくボックスなのですが,蓋で分割開閉するタイプのボックスで蓋を反対に閉じてしまっているのでカラーが逆になっていますね…










NIKE HYPERDUNK '08 FTB OVERALL
 ナイキ側にそんな意図はなかったのでしょうが,元モデルが秀逸なためクッションが改悪されてもバスケットボールシューズとして全体的にうまくまとまっています

 アッパーはこの仕様自体がKOBE 4とほぼ同様なのでそれもそのはず. ただ少しばかりレザーが固めなことと, 足首まわりのフィット/サポートはいずれも現行モデルに比べてしまうと心細くアンクルブレースがないと怖い感じです

 ノンエアだとクッション不足なのだろうと思われるかもしれませんが, 密度の低い柔らかめなファイロンで, シャンクプレートが入っていないこともありオリジナルとは違う履き心地ですが,これはこれでアリなクッション(普段使いを想定してこのクッションにしている?)

 非常に軽量ですしグリップも良好でこれを普段履きにするのは勿体ない気がしますね,せめてXDRソールならまだ良かった気もします

 いま流行りのスリーブ形状でもなく甲高族の方でも履けると思われます, 通気性は最悪…またアッパーの接触が考えられる部分はレザーのため耐久性もそれなりに有り

 写真を撮るのを忘れましたが,上記のブックレットのほかにレザーのキーホルダーなども付属します(ちなみに色味は下の画像が本物に近い)


ブックレット付
 2008年に中学生だった自分にとって初代ハイパーダンクは非常に衝撃的だった一足

 当時,リリースされたところですぐには購入できず,お小遣いを貯めに貯めて,その頃地元にあったワールドスポーツプラザやABCマートに通い続け,いつセールになるか店員さんに聞いたり,まだマイサイズが残っているかチェックしたりと躍起になった記憶があります, 青春ですね…

 結局,どうしても欲しかったハイパーダンクは不人気だった赤×金のチャイナカラーをなんとかやっと買えるセール価格でゲットし, 更にABCマートでセールになったオールホワイトのハラチ2k5を小銭をかき集めて買った記憶があります(ボロボロだけど両方思い入れがあるため実家にあるはず)

 …という個人的な思い出は置いておいても初代ハイパーダンク自体が非常に魅力的なシューズであることは間違いないかと

 もちろん今作FTBカラーに関しては前述したようにノンエアという改悪, バスケットボールシューズとしてではなくカジュアルシューズとしてのリリースなど(この高価格も), ナイキ許すまじという気持ちもあるにはあるのですが,このシューズを前にするとそんな気持ちも吹っ飛んでしまいます

 今や日本国内では入手が難しいでしょうが, stockXでは$250ぐらいで買える時もあるようですしどうでしょうか!色んな意味で体育館ではかなり目立ちますよ…!





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