adidas D Rose 8 Performance Review

adidas D ROSE 8 PERFORMANCE REVIEW
デリック・ローズのシグネチャーモデル第8作目"D ROSE 8 (ローズ 8)" をレビュー

 ローズの重なる怪我・移籍でなかなか日の目を見ることのないローズシリーズですが,次作が出てしまいそうですし(というかもう出た)かなり着用しましたのでここらでレビューしておこうと思います




Derrick Rose signs with Timberwolves, reunites with Butler, Thibodeau
 微妙な時期にリリースされ,販売数も少なく販売経路もなかったようでいま現在ではほとんど手に入らなくなっている"D ROSE 8"

 カラー展開も過去最低レベルに少なかった気がします(国内外問わず少なかった)

 adidasによるプロモーションもされておらず「一応出しときましたんで」的な扱い,ほとんど情報もありませんでした…





ザ・シンプル
 カラーは カレッジロイヤル/ランニングホワイト/ブルー, 通称"NYK"

 ローズのNYK移籍があったことからリリースされたこのカラー,当初中国限定カラーでしたが,少し間を置いて日本でも限られた店舗のみでなぜかリリースされました

 外側に革靴で言うところの外羽のようなパーツがついていた前作からは打って変わって超シンプルなデザイン

 各所を見ていきましょう





パコパコ系な履き心地
 アッパーは "エアメッシュアッパー"

 メッシュとTPUオーバーレイのGEOFIT構造のアッパーです

 このカラーだとカモ模様で見えませんが,オーバーレイ内にはこんな感じの肉抜き加工


ADIDAS D ROSE 8 REVIEW – INCREDIBLE SLEEPER!
 メッシュとはいえかなりハードな素材,感覚的にはNIKEのフューズ素材に近いですが断然こちらのほうが硬い

 足入れ時に「これ大丈夫なのか?!」と思うレベルですが.ウェーブ状の肉抜き加工が効いてくるため着用し続けていると履きやすくなり,結構考えられてるのかな?といった印象

 外側だけboostを覆うケージがありますが,このおかげでboostの感触をより掴みやすくなっている気がします(横にブレない)

強度があるためアッパーの耐久性は相当あり通気性も良好, 反面フィットはイマイチで,近年のニット素材に慣れてしまった方は不満な履き心地かも知れません

 初代~二代目HYPERFUSEみたいな感触(分かる人いるんだろうか)





オーバーレイに次ぐオーバーレイ
 アッパー内側はスレを意識してか,かなりがっつりとオーバーレイ,boostはむき出し

 こう見るとやはり履いて動いた時の屈曲性,圧がかかる部分などはかなり意識されている気がします

 boostのグニャり感を解消するシャンクプレートも良好(boostミッドソール内中央オレンジの部分)





メッシュは細かいです
 シューレースシステムは "レースコードシステム"

 一本の細い紐をカットのまわりにぐるりと配置, アッパーとの間にできた隙間にシューレースを通す"KD 6"的なアレです

 シューレースがワイヤーで抑えられているので緩みを防ぎますが,このタイプは切れたら怖い…そもそもこのレースシステム,フィットが微妙になる気がしてあまり好きじゃないです…





くるりん
 ヒールタブはありませんがこのくるりんで意外と履きやすかったり

 低めのヒールカウンターはきっちり踵をロック,素材から来るフィット感はイマイチですがサポート/ロックダウンは良好





薔薇Dロゴです
 インソールにはDローズロゴ

 相変わらずインソールはスリッピー,割り切ってさっさと別のインソールに入れ替えましょう

 adidasのインソールは本当に改善の余地がある(というかむしろ改善してくれ)と言い続けていますがまったく改善されずに数年経っていますね…





クッション is 最高
 ミッドソールはフルレングスboost

 前足部は外側だけケージに囲われています(ケージ部分にオートグラフ有り),クッションはさすがboostといったところ

 衝撃吸収という意味ではこれ以上のバッシュは存在しないのではないかというレベルです

 次作"D ROSE 9"ではboostシステムを廃しbounce化しましたが,これがローズシグでは最後のboost搭載シューズとなるのでしょうか





かっこいいです
 アウトソールはジッパーパターン

 中央のシャンクプレート部分だけがくり抜かれています,さらにプレートもくり抜かれ,中にはうっすらブーストが見える仕様

 詳細不明ですが,他モデルのようにContinental製ラバーではなくなった模様

 ソリッドラバーで,グリップは良好,接地面が広いです





まさかまさかの
 まさかまさかのboostモデル用ノーマルボックス…ここにきて専用ボックスが廃止されたわけです

 adidasのやる気のなさが伝わってくる気もしますが,販売数的には仕方ないような気もします,もう最初からプロモーションに力入れてませんもんね…





boost搭載にしては…という重さ
 453g(15.9oz) ハーフダウンしてUS10.5(28.5cm)です

 フルレングスboostの恩恵は大きいですが,犠牲にするものもまた大きい…と思わせられる重さ

 とはいえ最近のナイキも軽さにはあまり力を入れておらずこんなもんですし,フルレングスboostを履きなれている方にとっては特に問題なさそう















adidas D ROSE 8 OVERALL
 惰性でリリースしている感ビンビンのローズシグ,今作"D ROSE 8"はアッパーの材質やboostの乗っかり具合など,全体的に"ROSE 5"に非常に近いものがあります

 boostクッションは,プライムニットよりガチガチのアッパーの方が感じやすいのかなという気がしてきました,ある程度の不自由さが利点に気付かせてくれます

 とはいえ,デザインとフルレングスブースト搭載は良しとしても,いまこの時代のバッシュとしてはこのプライス(国内価格は\20,520)でこのクオリティはキツい気もします…が個人的には好きです

 ひょっとしたら最初に通常モデルをリリースしてその後プライムニットモデル出す"ROSE 6"や"ROSE 7"のパターン?!と思っていましたが結局リリースされず無念

 歴代すべてのシグネチャーを履いてきた自分にとって,やはりローズシグは特別であり,毎回楽しみにしているのでもう少し力を入れてもらえると嬉しいのですが…

 そういえばROSEシグの初期モデルが復刻するなんて噂もありますし,今後もadidasに期待したいところ





 余談なのですが過去作の初代"Crazyquick"や"Rose 4"で使われていたPUREMOTION(ピュアモーション)というadidasのアウトソールシステムがあったのですが(↓こんなの)

ADIDAS CRAZYQUICK TECH SPECS
 このアウトソールシステムがめちゃめちゃ好きでして…いつかこのアウトソールにboost搭載できないのかなーと夢想したりしてました

 boostは物理衝撃には弱いので(ポロポロ剥がれてくる)ある程度薄めのTPUケージで覆えば作れる気が…とはいえこのシステム自体adidas内ですでに忘れられていそう

 CRAZY8など,ニットアッパーモデルでリビジョンされていますし,クッションをこういうテクノロジーでアップグレードさせたモデルもリリースされたら嬉しいですね…わけのわからん仕様になったT-MACシリーズとかじゃなくてね…





Welcome to Minnesota @drose adidas D Rose 8