All About LeBron and 9 items by @NBAonTNT

All About LeBron and 9 items by @NBAonTNT
All About LeBron and 9 items by @NBAonTNT
 レブロン=ジェームズ率いるロサンゼルス・レイカーズの優勝で幕を閉じたNBA 2019-2020シーズン. コロナウイルス(covid-19)の影響もあり,感染を防ぐため外の世界との接触を制限する“バブル”環境を150億円以上を費やして作り上げ,2カ月半かけてNBAファイナルまで行われるなど,これまでとまったく違うシステムで行われました.

 その影響から一風変わってしまったシーズンではありますが,この短期間でここまで対応するNBAという組織の凄さを再認識したシーズンでもありましたね.


 そんな中, シャキール=オニールやチャールズ=バークレーが解説を務めることで非常に人気のあるNBAニュース "NBA on TNT"のTwitterアカウント(@NBAonTNT)で,レイカーズ優勝翌日にこんなツイートが.


  "All hail the King"というテキストと共に意味深長なレブロンのグラフィック. よく見てみると今ファイナルにまつわるあらゆるアイテムが散りばめられているのですね.



 アイテムは計9個, 時系列になっているので,レブロンが左手で持つ右上の腕時計から時計回りに解説していきます.

 また,NBAのことをよく知らない方でも豆知識が手に入ると思います! (このサイトを見ているような人はほとんど知っていると思うので読み飛ばしてくださいね…)

 では,各アイテムを見ていきましょう.





 ⑨ Watch (腕時計)

「20:30」
 レブロンの左手に握られた腕時計. これはレイカーズが1stラウンドで対戦したPortland Trail Blazers(ポートランド・トレイルブレイザーズ)のエースであるデイミアン=リラードを象徴するアイテム.

It’s Dame Time
 ゲーム終盤,クラッチタイムにその得点能力を発揮するリラード, 彼の勝負強さを示し,腕時計があるかのように左手首を指差すこの"DAME TIME (デイム タイム)"ムーブ.

 試合終盤の勝負を決定づけるような局面でのリラードの活躍する能力は並外れたものがありますが, 今プレイオフではその能力を見せることもなく,PORが1勝するもののレイカーズが4勝し1stラウンドの幕を閉じました.

 「"DAME TIME"なんて,発動する間もなかったね」とでも言っているのか, NBAのゲーム終盤である「20:30」で時計は止まっているようです.





 ⑧ Broom (ホウキ)

ホウキ
 レブロンの玉座に立てかけられているこのホウキ.

 ホウキは「Sweep(スイープ)」を表し,このスイープはMLBやNFLなどの米スポーツにおいて「Sweep=(ホウキで)ゴミを一掃する」ことになぞらえて,連勝や点差をつけての大勝を表します. しかし,NBAにおいてスイープとは,ただ連勝することや大勝することを指すのではありません.

 NBAではプレイオフトーナメントを戦う際,先に4勝したチームが勝ち上がります. その各対戦を4勝0敗で勝ち上がることを「スイープ」と呼ぶのですね. つまり,相手チームに1度も負けることなく,4連勝した場合に「スイープする」という表現が使われます.

 今季のLALは1stラウンドからNBAファイナルまで全ラウンドでスイープがなかったため,このホウキが端によけられている(使われなかった)ものと思われます.





 ⑦ Shaver (シェーバー)

シェーバー
 玉座に置かれたシェーバー.

 ケーブルは横に伸びており,たった今まで使われていたかのよう. もしかしてレブロンのシェーバー?? いえいえ違うんです. これは次のアイテムとセットだと分かりやすいですね.





 ⑥ Beard (ヒゲ)

モサモサ
 玉座に置かれた黒いかたまり. なんなのか気づくのに時間がかかるかもしれません. 隣にシェーバーがあることでようやく気づくレベル.

 これはシェーバーによって剃り落とされた大量の「ヒゲ」なのです. NBAで「ヒゲ」といえばすでにこのプレイヤーの代名詞ですね.

James Harden FAQ: Everything you wanted to know about The Beard
 ヒゲといえばジェームズ=ハーデン,というくらいに彼の代名詞になったヒゲ.

 レイカーズはハーデン率いるヒューストン・ロケッツとカンファレンス セミファイナルで対戦.

 ロケッツはラッセル=ウェストブルックとハーデンの機動力を活かしレイカーズディフェンスを翻弄. ゲーム1を勝利するものの,2戦以降はオフェンスのスペースを対策されて思うような攻撃ができず,元より課題だったディフェンスを突かれ,4連敗を喫し準決勝で敗退することになります.

 ハーデン,そしてロケッツからの勝利を,彼のキャリアと共に成長し,もはや象徴ともいえる「ヒゲ」を剃り落とすことに例えているわけですね.





 ⑤ Rocket (ロケット)

ロケット
 横向けに倒れたロケット. これはもうそのまま,カンファレンス セミファイナルにて倒されたヒューストン・ロケッツですね.

LOGOS-WORLD.net - Houston Rockets Logo
 今でこそRocketsの"R"を用いたムービングロゴになっていますが,90'sのレトロロゴではロケットのグラフィックがロゴになっていました.

 ロケッツはかつてサンディエゴに本拠地があり,当時サンディエゴでは軍需産業が盛んなことからロケット弾(ロケットミサイル)を表していました. 上記ロゴでも1995-2003のチームロゴではミサイルになっているのが分かるかと.

 後にヒューストンに移転してからはNASAのイメージから,平和的なロケットがイメージされるようになりました.





 ④ Nugget (塊)

??
 玉座に置かれた石のようなカタマリ. これはなんでしょうか??

 これだけではなんなのか分かるのは難しいです. これもこの後に説明するアイテムとセットになっていますので,見ていきましょう.





 ③ Joker Hat (ジョーカーハット)

Joker!
 カタマリの上段に置かれたジョーカーハット. これはあるフランチャイズのトッププレイヤーを表しています.

Pinterest - 旁观天下 Nikola Jokic
 Denver Nuggets(デンバー・ナゲッツ)に所属するセルビア出身のNBAプレイヤー, ニコラ・ヨキッチ(Nikola Jokić). 彼のニックネームである「The Joker(ジョーカー)」よりジョーカーハットが鎮座. この「Joker(ジョーカー)」はヨキッチのスペル「Jokic」からついたニックネーム.

 ナゲッツはヨキッチと5年1億4800万ドル(約162億)の大型契約を結び, 2018-2019シーズンではキャリアで通算20回目のトリプル・ダブルを23歳で達成. 2011年のカーメロ=アンソニー以来のナゲッツからのオールスター選手となり,初出場を果たしました.

 そんなヨキッチ率いるデンバー・ナゲッツもカンファレンス ファイナルでレイカーズに1勝4敗で敗退することとなります.





 ② Pickaxe (ツルハシ)

Pickaxe
 王座に立てかけられたツルハシ, これはNBAウォッチャーであればほとんどの人が気づくであろう「あの」チームのロゴ

旧ロゴ/新ロゴ
 DENVER NUGGETS(デンバー ナゲッツ)は2018年にロゴを刷新,NBAのチーム中最も高地にあるチームとして用いられてきた鉱山のロゴから, 2本のつるはしと鉱山の頂上部とバスケットボールを組み合わせたロゴに変更.

 チームカラーも,それまでのパウダーブルー(水色)から,球団創設50週年を記念し新調したオルタネイトジャージーのネイビーブルー(濃紺)に変更しました.

 この立て掛けらてたツルハシは, カンファレンス ファイナルでレイカーズが破ったナゲッツを表しているのですね.





 ① Mug (マグカップ)

Mug "BIG FACE COFFEE"
 レブロンが右手で持つ割れたマグカップには "BIG FACE COFFEE(ビックフェイス コーヒー)"というロゴ, 中からはコーヒーがこぼれています.

 このビックフェイス コーヒー, バブル下においてなんとホテルの一室で始めた, Miami Heat(マイアミ ヒート)のJimmy Butler(ジミー=バトラー)のコーヒーショップ.

Butler shrugs off ‘underdog’ tag as Heat brace for Lakers
 バブル下で滞在するディズニーワールドホテルの一室で開店した簡易的なコーヒーショップ"BIG FACE COFFEE (ビックフェイス コーヒー)" 第一号店. 部屋の扉に手書きのメニューと価格が貼り付けられており,サイズにかかわらず1杯20ドル(約2100円)で販売.

 バトラーは引退したらコーヒーショップをやりたいと思っていたそうで,NBAでプレーするより前から毎朝コーヒーを飲むほどのコーヒー好き. いま現在でもトレイナーのジェームズ=スコットとはいつもコーヒーを買いに行っていて,必ず毎朝コーヒーを飲んでいるそうです.

 今では『Big Face Coffee』の商標登録手続きも進め,アパレルも作っているようで,何事にも本気で取り組むバトラーらしい取り組みです.

 このロゴが入ったマグカップが割れ,中のコーヒーがこぼれていることからNBAファイナルで対戦し4勝2敗で敗北を喫したマイアミ・ヒート, 及び奮闘したジミー=バトラーを表しているというわけですね.





Lakers star LeBron James becomes first NBA player to win Finals MVP with three teams
 …というわけで,いかがだったでしょうか. 今シーズンを象徴する,レブロンと9つのアイテム.

 もう10月ですが,通常であればもう新シーズンやドラフトが始まり,今後の展望にワクワクしていたり,ドアマットチームがスタートダッシュを決めたりして驚きに溢れていたりする時期. この時期からしばらくNBAが見られなくなるのも寂しいですね.

 2019-2020 NBAファイナルは個人的にアツかったですが,実はTVの視聴率が歴史的に低下しているとの報道が…

Adam Silver: NBA Social Justice Messaging Will Be Largely Left Off the Court Next Season - OutKick

Adam Silver sat down for an interview with Rachel Nichols on NBA Countdown earlier this week and indicated that the social justice messaging that currently displayed on the courts and the backs of players' jerseys will be "largely left off the floor" next season: Here is the relevant question and answer: Rachel Nichols: Adam Silver: And I understand those people who are saying 'I'm on your side, but I want to watch a basketball game.'


 これはあらゆる要因が考えられ,まず アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為に抗議する"Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)", そして死者数/感染者数が世界最多となるアメリカの新型コロナウイルスによる死者数. あらゆる社会的要因があり,今シーズンは気持ちが乗らない方が多かったのでしょうか.

 厳しい情勢の中で諦めることなく,4ヶ月の待機までして始まったプレーオフでしたが,遅れたことによりNBAファイナルの試合のいくつかがNFLやMLBのプレーオフと重なっていることも大きいよう.

 また,データによればNBAに限らず他の多くのスポーツ(NFLやMLBですらも)の評価も下がっており,同様に視聴者数が軒並み低下しているそうです.


NBA ratings decline points to broader trouble in TV watching
 今シーズンに関してはたくさんの要素がありすぎるので何が理由とは言い切れないのでしょうが,残念な結果となってしまったよう. とはいえゲームのクオリティは例年に引けをとらなかったと思うのですが…

 ファイナルに関しては早い時期にヒートの主要メンバーが負傷してしまったり,早い段階で「勝ちが見えていた」のが大きかったのでしょうか. シーズン全体でもBYNのエースであるKD, アービング. GSWのエースであるカリー, トンプソンのケガによる欠場があり,なかなか盛り上がりに欠けていた印象はありますね…. 個人的にはコービーの死を受け止められず,しばらくの間NBAを観られない時期がありました.

 NBAをさらに盛り上げていくためにも, 来期はもう少し数字が伸びることを期待したいです. また通常のゲーム数をこなし,エースのケガなどなく強豪同士がぶつかり合う,そんな日が早く訪れますように…

 レイカーズ, 10年ぶり リーグ最多17回目の優勝おめでとう! また来年も応援します!

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